名前の無い物語と思っていただければ幸い。

人の傍に居るという事は、
とても怖い

その人が発する言葉一つで
笑ったり、泣いたり、怒ったり、傷付いたり・・・

その人の背中に寄りかかり
静かな歌を口ずさむ

其れは遠い愛の歌
其れは近い恋の歌

人に何かを欲するという事は、
とても怖い

その人の対応一つで
私はどんな女にもなれる

貴方が私を拒むのなら

私の心ならいくらでも殺せるけれど

歌は静かに終わる

人の傍に居るという事は
とても怖いけれど

人に何かを欲するという事は
とても怖いけれど

それでも貴方を最後まで信じている

心を殺さなくても良い様に
貴方がしてくれると信じている

歌が永久に終わらない様に
貴方がしてくれると信じている

ただの希望でしかないのだけれど

それでも毎日

願い続ける

願い続ける